テーマ 130 日頃の学習による“知の蓄積”、と”
“自らの意志による目標設定とその達成への強い欲求”が”
新しいアイデアを生み、未来をつくる
■日本ではニッチ市場でも世界視点ではメジャー市場
自分の目指す目標が、日本においてニッチ市場であったとしても、
例えば日本では2%ほど240万人しか見込めなくても、
中国での2%は2,880万人、インドでは2,800万人、アメリカでは660万人となり、
大きな市場となります。
インターネットで商取引ができる時代、今までは
「あまりよいアイデアではないな」とか
「この商品では売れる見込みは少ないな」と思っていたことが、
世界視点で見た場合は、メジャーな商品となる可能性は十分考えられます。
今後、目標を立てる場合は、
このような可能性の大きさを踏まえて考え、挑戦することが重要です。
WHO(世界保健機関)およびUNFPA(国連人口基金)の2022年版の資料参照。
人口
日本1.2億人
中国14.4億人
インド14億人
アメリカ 3.3億人
市場規模2%の場合の試算
日本1.2億人×2%=240万人
中国14.4億人×2%=2,880万人
インド14億人×2%=2,800万人
アメリカ3.3億人×2%=660万人
■目標を立て未来をつくる
パーソナルコンピューターの父とも言われる、
コンピューターサイエンティストの
アラン・ケイ氏の名言に下記のようなものがあります。
---------
未来はただそこにあるのではない。
未来は我々が決めるものであり
宇宙の既知の法則に違反しない範囲で
望んだ方向に向かわせることができる。
未来を自分で作ること。
これが未来を予測する
もっとも簡単な方法なんだ。
未来を予測する最善の方法は
それを発明することだ。
少なくとも90パーセントの時間を
失敗に費やしていなかったとしたら
あなたは高みを目指していないことになる。
重要なのは
まず問題を提起すること
そしてそれを解決すること。
---------
これは、VUCAとも言われる今の時代の仕事に対する
考え方、仕事の進め方にぴったりともいえる言葉です。
管理職研修の現場で多く見られる一つの例ですが、
担当部署の長として今後の部署の目標を設定する際、
まず現状の仕事の棚卸をして、部署員と話し合い、問題点を見つけ、
問題点改善のための目標を設定するといった作業が行われることがあります。
このような仕事の仕方が、どんな場面でも合理的で正しいと
思い込んでいるようなところがあります。
上司に話すときも説明しやすく説得力があると思っているところがあります。
研修内で管理職者の方に聴いてみると、
上記のような現状分析から得られる問題点は、
日常の仕事の中で、管理職の方自身が、
すでに十分分かっていることであることも多くあります。
現状分析が必要な場合は、当然ありますが、必要以上の現状分析は必要ありません。
今まずやってみるという姿勢が重要です。
管理職者として今後は、新しいお客様、新しい売上・利益をつくり
新しい現実をつくり上げていくという一つ次元の高い目標を掲げ、
下記のような仕事の進め方をしていくことが必要です。
「必要な成果が獲得できると確信できるまで考え抜いた自らの意志による目標、行動計画の設定」
→「関係者への説明、説得」
→「迅速に着手し行動する」
→「トライアンドエラーを繰り返し期日までに目標を達成する」
■学習と執着によるブレークスルー
アメリカ合衆国の実業家ジェームズ・ウェブ・ヤング氏が1940年に著し、
ロングセラーとなっている「アイデアのつくり方」という本の中に
アイデア作成の基本原理として下記の二つを掲げております。
・アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
・既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、
物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい。
物事の関連性を見つけ出す才能は訓練で向上させることが可能である。
イノベーションの父といわれるオーストラリアの
経済学者ジョセフ・シュンペーター氏も、「新しい知」とは、
常に「既存の知」と「別の既存の知」の「新しい組み合わせ」
で生まれると言っております。
ヤング氏もシュンペーター氏のいずれも言っていることは良く分かりますが、
実際にアイデアを生み出すとなると簡単ではありません。
日頃の学習の積み重ねがあった上で、何か一つのことに執着し、
ずっと考え続けていたり、何度も試してみたりしている中で、
ブレークスルーが起き新しいアイデアが浮かぶということが
実務的にはよく経験することです。
新しいアイデアというのは、「既存の知の組み合わせ」と
「必要性に迫られる」ということが重要であることが分かります。
だれにでも大きな可能性がある時代です。
日頃の学習による「知の蓄積」と「自らの意志による目標設定とその達成への強い欲求」
が新しいアイデアを生み、未来をつくると考えられます。
|